ITILのインシデント管理の特徴やメリットなどの紹介

ITILとはInformation technology Infrastructure Libraryのことで、ITマージメントのノウハウを体系化したIT関連のマネージメントに関するガイドラインです。日本ではIT関連のマネージメントにおいて遅れがあり、組織の中で有効に活用されているところはまだまだ少ない段階です。しかし段階的に取り入れて行くことによって、組織全体の底上げが可能だと言えるでしょう。ITILのインシデント管理はインシデントの根本的な原因を突き止めて、常に有効な解決策を提供することが目的です。問題を全て記録し、分析することで傾向を把握し、今後起きうる問題をも防ぐことができます。このようなITのサービスの停止や品質の低下によるビジネスに影響を与える出来事を回避することで、損失を防ぐことができます。

ITILのインシデント管理の活用法

ITILという言葉に注目が集まりはじめた昨今、現在の日本の組織でIT部門の重要性が高まっていく中で、ITILをうまく活用できている組織は少ないと言えます。トラブルが起きるとサービスデスクへ問い合わせを行い、指示をし、技術者を派遣するという流れが一般的で、その問題の原因と解決方法を一括管理出来ていないのが現実です。また社内のIT部門担当者のみが技術を持ち、その人にしか対応できないという状況があります。属人化することへのリスクを抑え、ITILのインシデント管理において一元化することによって問題が根本的に解決できます。そこでの解決方法としてプロセス、人、製品や技術というProcess、Person、Productの3つのPのバランスに配慮しなければなりません。IT運用において、現在の状況はまず製品や技術とそれを扱える人になっていますが、理想はプロセス4割、人4割、製品2割と言われています。

ITILのインシデント管理による業務改善にあたっての注意点

ITILのインシデント管理、問題管理を導入するにあたり、そもそもの目的は特定人物への問題解決依存である属人化の解消、仕事の流れをシンプルに可視化したい、監査での指摘を免れたい、サービス向上や業績アップに繋げたい、トラブルを減らしたい、ベンダコントロールを実現したいなど様々です。こうした目的があっての導入であるということを継続して持ち続けることが大切です。この活動を広く広報し、目的を共有しなければ属人化を解消することがまず不可能になります。また技術のある特定の人物についても、目的がなく日々の対応に追われながら、システムに関する理解がない場所で働いていますので、モチベーションの低下に繋がります。コンプライアンスの遵守や個人情報保護が企業の間で根付いていった課程と同じ波がIT運用の部門にITILの導入としてきていますので、遅かれ速かれ取り組んでいかねばならないことです。